先週は私が仕事をしているインドの会社からスタッフが来日し、日本のお客さん訪問をしました。インドから2人、アメリカから1人。インドから来た2人は、これまで何度も日本に来ており、特になんの感動もなかったようです。(ひたすらユニクロ&ビックカメラでお買い物、30万円のカメラもお買い上げ)が、アメリカ在住のインド人は日本が初めてでいろいろな発見があった模様です。
まず10月11日以降、日本の入国の制限がかなり緩和されました。それでも成田空港では新型コロナウイルス対策に関し、いろいろな手続きが必要だったようです。今回入国したスタッフにはあらかじめ、入国のためのアプリ「MYSOS」に必要な書類をアップロードしてもらいました。これだけなのかと思いきや、入国後なぜかいろいろな書類を受け取り、そのたびに説明を受けたと。で、その説明が皆似たり寄ったりで、なんの意味があるのかわからないと。不要な紙を配るのも意味があるのかと。
中国やインドに旅行されたことがある読者の方は、そういった国に行くと、空港で何もしないでただ突っ立ているだけの職員が、時々思い出したように旅行者に声をかけ、チケットを確認したりするのに出会ったことがあるのではないでしょうか?中国やインドは人口が多いので、仕事を作らなくてはいけないと聞いたことがあります。アメリカから来た彼は、まさに同じ状況を日本で体験し、「日本は人余りなのか?」と。「アメリカは時給が高いからこんなどうでもいい仕事させる余裕なんてないけど、日本は人件費安いの?」と。いやはやインド人って感が鋭いというか、頭が良いんですよね。
日本はなんでも紙ベースでなければ用が足せない、ITで後れを取っている国であることもこのコロナ禍で明らかになりました。ちなみに入国のためには、新型コロナワクチンを3回接種した証明書が必要なのですが、日本は紙の証明書を持参です。ちなみにインドはワクチン接種の証明書は日本で言うところのマイナンバーに紐付けされており、電子ファイルで携帯に送られてきます。証明書にはどのワクチンをいつ接種したかという記録と、なぜかモディ首相の写真と、すべての記録の入ったQRコードが鎮座しています。
インドにAadhaarと呼ばれる国民識別番号制度があり、健康保険や銀行口座、税金の支払いもすべてこの個人識別番号制度で一元管理されています。日本ではワクチン接種の通達も、最初の頃大混乱でしたが、インドはこれでスムーズに接種できたそう。
日本のマイナンバーと違うのは、マイナンバーカードが住所と名前と生年月日とパスワードのみという、いつ破られてもおかしくないセキュリティの恐ろしく甘いシステムである一方、インドのそれは生体認証(手指10指、虹彩認証などの組み合わせ)と結びついているという点です。もう5,6年前からこれがないとインドでは銀行口座も開けなくなっています。
インドは多民族国家なので、言葉の問題で遅れがちだった田舎の役所の手続きが、これで一気にスムーズになったそうです。助成金給付にかかわる本人確認などが迅速にできるようになり、手続きも簡略化され、しかも間違いが減ったと。このシステム、聞くところによると日本のNECが提供しているというのです。インド13億人の管理ができている実績があるのなら、日本でも導入すればいいのに。
私はマイナンバーでの一元管理は賛成派ですが、今のお粗末なマイナンバーで実施するのは大反対です。前のIT大臣だったか、マイナンバーにブロックチェーンを導入してセキュリティ万全とか言ってませんでした?いつになったらできるんですかね?なんで日本はなんでも仕事が遅いのでしょうか?ほんとうに呆れます。NECのシステムを導入しないのは、IT大臣が個人的にNECのこと嫌いだからですか?保険証をマイナンバーにする前に早く導入してください。インドでできてなぜ日本でできないのでしょう。
インドでできて日本でできないと言えば新型コロナワクチンもありました。インドではインドオリジナルのワクチンも、アストラゼネカ社と提携したワクチンもかなり早い段階で製造できており、海外にも輸出していました。しかもそのうちの一つは針を使わず接種できるDNAワクチンで、世界初の画期的なものでした。日本でもアンジェス社がDNAワクチンを、同じく針なしのデバイスで日本のメーカーと組んで開発していましたが、臨床試験の結果が出たのか出ないのかうやむやにしたまま開発中止してしまいました。
今年の夏、インド人の留学生が来日した際、なぜかインドで開発、製造されたワクチンは3回目のワクチン接種と認めないという変な日本ルールがあり、ワクチン3回接種した留学生も、入国後1週間ホテルで隔離する羽目になりました。ワクチンを開発できない国が、インドのワクチンが別の国で製造されたワクチンに劣ると決めつけた理由は何なのでしょう。嫉妬なのでしょうか。インドで製造されたワクチンと欧米で製造されたワクチンで効果を試したデータでも持っていたのでしょうか。全く意味不明でした。
話がだいぶ脱線しましたが、日本初来日の彼にとって日本は面白い国だったみたいです。特に食事は毎回とても楽しんでくれました。インド人は中国人と違い、ベジタリアンが多かったり、豚肉や牛肉が食べられなかったりといろいろあるのですが、彼はなんでも食べられる人でした。大阪に行った時に、新大阪の串カツ屋さんでお昼を食べました。彼はカツとじの定食を頼みました。ごはんとカツとじが別々に出てきたのですが、どうするか観察していたら、ちょっとカツとじを味見して、すぐにカツとじにご飯を放り込んで食べていました。ごはんとセットだということを本能で感じるのでしょうか。なんの説明もしないのにすごいです。(ちなみに他のメンバーは串カツを食べていました)
お店を出るとき、たまたま彼の近くに伝票があったので、「全員分(4名分)払ってね」、と言ったら、「これで4人分??」と、あまりの安さに驚いていました。その定食屋さんはすごくおいしかったのですが、一人分800円前後でした。4人分でもアメリカだと一人分なんですよね、今。円安恐るべし。
最終日は銀座のユニクロでお買い物。彼はユニクロの大フアンで、シャツと靴下を大量買い。シャツはLサイズがぴったりと喜んでいましたが、ズボンはすべて丈が足りないと嘆いていました。(ユニクロがインド進出の時は、ズボン丈伸ばした方がいいです)インド人って基本的に手足が日本人より長いんですよね。自慢じゃないですが、彼は私と並ぶとかなり背が高いのに、座ると目線がほぼ一緒です(笑)。一度でいいからズボンの丈が足りないと言ってみたい私です。
今日はちょっととりとめもない話でした。