新型コロナワクチンと耳の話

先週は3年ぶりに海外出張しました。

海外に行くのはいいのですが、日本の入国制限が厳しくてこれまで正直行くのが億劫でした。ですが今回、お客さんと一緒に3年ぶりでインドに行くことになりました。

久しぶりのインドのせいか、途中珍しくお腹を壊してしまい、後半3日はほぼ絶食状態でしたが、無事帰国できました。インドの現状はと言うと、今は誰もマスクはしていません。唯一空港の職員の何人かがマスクをしているところを見かけたくらいです。

ちなみにインドの入国条件として、現在、新型コロナワクチンを二回以上接種していればファストトラックで入国可能です。一方の日本は、ワクチン接種が3回以上となっており、2回しか接種してない私は帰国の度にPCR検査を受けることになります。72時間前のテスト結果が求められるので、陽性判定が出た場合は帰国できません。その場合はフライトを変更したり、宿を手配したりとちょっと面倒なことになってしまいます。

帰国の翌日の今日、楽しみにしていたバンドネオン奏者の小松亮太さんのコンサートに行きました。コロナ禍でも何度かコンサートに行っていましたが、座席の両脇に観客がいるコンサートはコロナ後初めてだったかもしれません。小松さんは東京都足立区北千住出身で、今日は地元でのコンサートでした。私は機会あるごとに、もう15年以上は小松さんのコンサートに足を運んでいます。小松さんの地元開催のコンサートは、小松さんの活舌も俄然よくなるような気がします。

コンサートはというと、タンゴの演奏だけでなく、歌やダンスも本当に素晴らしく、あっという間に時間が過ぎてしまい、出張の疲れも一気に吹き飛んでしまいました。が、私個人としてはちょっとショックなことがありました。

それは何かというと、演奏が以前と全然違って聞こえたことです。私は小松さんの奥さんである近藤久美子さんのバイオリンが奏でる高音のファンでもあるのですが、今回ものすごく遠くで鳴っているように聞こえました。全体的に高音があまり聞き取れず、やたらベースの旋律が強調されて聞こえたのです(それはそれで味があると言えばそうですが・・・)小松さんは同じ曲でも毎回違うアレンジですが、それでも長年聞いてきた演奏だからこそ、違いがものすごく気になったわけです。

実は耳の異常を感じたのは昨年の夏、2回目の新型コロナワクチンの接種の後でした。接種後は耳以外にもひどい倦怠感があり、3ヶ月くらいは夕方になると1時間くらい仮眠をしないといられないほどだるかったり、髪の毛が抜けたり、あるいは手に力が入らないなどはっきりワクチンによる副反応と断定するのは難しいものの、何かがおかしいという症状が続きました。

そのような症状の一つに、聴力の問題もありました。特に接種後は高音が聞き取りにくくなりました。私の目は生まれつき悪いのですが、聴力や嗅覚は人一倍よく、接種直前、50代半ばでも耳は20代、30代が聞き取れるとされている周波数の音がちゃんと聞き取れていました。が、接種後は本当に聞き取りにくくなり、70代レベルになっていました。とりわけ私の場合、若い女性の高い声が聞き取りにくくなり、買い物などの接客で若い女性の店員さんが最後に言う、「お砂糖やミルクはお使いになりますか」とか、「レジ袋」や「ポイントカード」云々がほとんど聞き取れず、何度も「え?」と聞き返してしまうほどでした。今は多少回復していますが、年相応ぎりぎりレベルです。

以前、若い女性の店員に対し、同じように「え?」と何度も聞き返す高齢の男性に対し、若い女性を軽視して、ちゃんと聞こうとしないから聞こえない、ただただ失礼な人達(失礼!)と思っていました。でも自分の耳が実際に聞こえにくくなると、実は態度の問題ではなく、物理的に聞こえにくいのかもと思うようになりました。

そういう個人的な体調の問題と、昨年末は小松さんの恒例の北千住でのコンサートがなかったこともあり、接種後初のコンサートでした。もちろん、耳が聞こえにくくなったのはワクチンのせいだけとは断定できません。もうすぐ55歳なので、単なる耳の老化とも言えなくはないです。ただ老化はおそらく、もっとゆっくり進行するのではないでしょうか。こんなに劇的に聞こえなくなると本当にショックです。

新型コロナワクチンの副反応として味覚障害は結構報告されているようですが、聴覚障害はあまりないようです。症状があっても病院に行っていない人がほとんどかもしれません。

現在新型コロナウイルスの第8派到来と言われ、政府は5回目のワクチン接種を推奨しているようです。もちろんこれまでの接種で問題のなかった方、接種したいという方は接種していただいていいと思います。ただ、ウイルス感染による症状が以前にくらべ重症化しにくくなっている今、副反応が強く出る方の接種や、感染しても症状が軽いと思われる方への接種は控えるべきと私は思います。

ワクチンのおかげで、人類は様々な感染症を克服してきたことは事実です。これからもそうでしょう。ただ定期接種になっているような使い古されたワクチンでさえ、発症の頻度は少ないながらも、重篤な副反応が出る人や、残念ながら亡くなる方も必ずいます。まして今回、突貫工事さながら急いで開発、上市した新型コロナワクチンに、より多くの副反応が出ることも、死亡者がでることも想定の範囲のはずです。そうなった方に、健康な体を国が取り戻してあげることも、一生分の生活補償を医師がしてあげることもできないのですから、接種する、しないは強制されるべきものではないと考えています。政府や医療関係者はひたすらワクチン接種にかかわるデータを集めて解析し、今後の開発や運用に生かしつつ必要な救済策を講じるのみと思っています。

ちなみに耳の年齢判定のサイトはたくさんありますが、下記もその一つです。おかしいと思ったら試してみてください。

聞こえチェック