政治と金の問題について

今日はタイトルのテーマで個人的な見解を思いつくままつらつら述べたいと思う。一部、非常識と思われることもあるかもしれないけれど、それはプレ政治家の意見として多めに見て欲しい。

子供の頃、1番なりたくない職業といえば、それは政治家だった。政治には興味はあったけれど、政治家は金に汚い、女に汚い、加えて世襲が多くて世の中の常識なく、散々甘やかされて育っているので人格も良くないというのがステレオタイプで、できたらそんな人たちとは一生関わりたくないというのが正直なところだった。関わると自分まで悪人になりそうな、そんな気がしていた。

世の中、私と同じように考えている人は結構多いように思う。直接自分に影響がなければ、政治家には勝手にしたいようにさせておけばいいさ、と。日本人の投票率に低さは、そんな考えも反映しているのに違いない。ところが過去30年、政治の失敗で日本が地盤沈下したことは明らかだ。もう放ってはおけないところまで来ている。そして日本の地盤沈下の1番の原因が「政治と金」だ。

政治に金がかかるのは日本の場合選挙にお金がかかるからだ。それは選挙制度によるところが大きい。現在日本では、小選挙区制と比例選挙制を併用しているが、比例に比べて小選挙区制はお金がかかる。地元にバーンとお金をばら撒いて票を得る。ブラジルで育った友人曰く、「ブラジルでは選挙の時に選挙カーからサンダルをばらまくの。靴も買えないような貧しい人の票を買うために」と話していたが、日本の場合そのバラマキ先は貧しい人ではなく、大抵地元の特定の利権団体だ。インフラ構築だったり、企業の誘致だったり、特定の組織への補助金だったり、成功のあかつきにはそうした事業の関連組織からパーティー券購入代金として献金してもらう仕組みが出来上がっているようだ。そのくだらないループが延々繰り返され、必要なお金が必要な人や組織に行きわたらなくなってしまった。

個人的には小選挙区制がどこまで必要なのか疑問に思っている。選挙制度が始まった明治の頃は、中央から離れた地方で何が起こっているか、現地に行かなくては見当がつかなかっただろう。だから地方から選出された国会議員が、地元の状況を中央政府に届ける役目も重要だったはずだ。今は情報がタイムリーにわかるし、地元には地方議員が存在するのだから、国会議員を経由せず、直接地方議員が国会で審議する法案を提出する仕組みを作ったらよいのではないか。今はわざわざ地方から飛行機と電車を乗り継いで東京まで来なくたって、ウェブ会議でいくらでも中央政府と繋がれる。だから国会議員は国レベルの法案作成に集中し、議員定数はもっと減らしてよいのではないか。

第一、地方選出の国会議員はどこまで地元のために仕事をしているのか。地方の議員だって、国政選挙のお手伝いをさせられるのは不本意ではないのか。国全体の利益のための政治と、地方のための政治と必ずしも意見が一致しないことも多いだろう。地方選出の国会議員は一体どちらを向くべきか。それに今はなんだか国会議員の方が偉そうであるけれど、本当は一つのテーマに関し、国VS地方で対等に議論を交わすべきだ。地方議員が直接国会で法案提出できれば、その立場はより対等になるような気がするのだけれど。。。

ニュースで、どこかの県の国会議員が、地方議員に上納金を請求していた例が取り上げられていたことがあった。地方議員が直接中央政府に物申す場があれば、そんな中間マージンを懐に入れる国会議員は必要ないのではないか。諸外国でも国会議員の小選挙区制は一般的だけれど、日本の場合は小選挙区制が既得権益とがっちり結びつき、政治家業をしている人以外が政治家として政治参加できるチャンスはほぼない。米国などは予備選挙があって、どういう人が候補になるか、そのプロセスも知ることができるけれど、日本は各党の思惑によって選挙の直前に候補者が決まることが多い。国家議員はできれば多様な職業や経験をした人の集まりであることが望ましく、派閥の中を泳ぐことだけに長けた人になって欲しくないと思っている。

お金と言えば国会議員は経費の使い方も変だ。以前話題になった文書交通費の問題も、今時なんの領収書の提出もなしで、毎月決まった額を支給するという制度は時代錯誤ではないか。個人的には文書交通費はすべて実費で清算すればよいと考える。今時、クレジットカード会社と法人(国会は法人ではないが)契約すれば、明細を仕分けしてレポートしてくれるサービスもついてくる。国会議員専用のクレジットカードを作りたいと言えば、たぶん喜んで協力してくれるカード会社があるだろう。そこと契約して文書交通費、あるいはすべての政治活動の経費はそのカードからすべて引き落とすようにすれば、情報公開も簡単だ。カード会社のレポートをそのまま開示すればよし。今はサインペン一本だってクレジットカードで買える時代なのだから、秘書が頑張ってレシートを集めなくても、すべてカード会社がやってくれる。

私は長らく自分の会社を経営しているので、個人事業主も含めた中小企業は1円単位の領収書を求められ、場合によっては金額にかかわらず「こんなの経費にできません」と税務署に言われたりすることを知っている。例え単なる勘違いで過少に税金を払い、それが後から発覚した場合は追徴課税となる。今話題のパーティー券の場合は、「ごめん、間違ってたよ」と修正すればおとがめなしというのはやはりおかしい。百歩譲って故意ではないと解釈しても、課税は免れられないのではないか。願わくは税務署に、帳簿の保存期間である7年分くらいはさかのぼって調査して課税して欲しいものだ。