第一回座談会を終えて

7月1日金曜日午後7時から座談会をしました。

ホームページから参加申し込みいただいた方、私の個人的な知り合いで参加していただいた方、両方ありました。皆さん、教育問題にはそれぞれ持論があり、有意義な座談会になったと考えています。

また今回、TwitterやLINEから申し込みしようとしてできなかった方、大変申し訳ありません!現在TwitterのDMはアクティブにしている(と思う)。FBやこのホームページからの申し込みも受け付けています。あと、1、2回実施したいと考えています。

参加者

ご参加いただいたのは以下の方です。

お忙しいところご参加いただき、ありがとうございました。

  • 大福さん  

30代女性、会社員。青森県出身、現在大阪在住。既婚で子供二人(小3、年長さん)

  • きなこもちさん

年齢非公開、女性、無職。国民民主党党員

  • ペルシャさん

20代男性、私立大学4年生、東京在住

  • コオリユキコさん

50代女性、兵庫県出身、沖縄県在住

  • さすらいの寅さん

50代、無職。現在セミリタイア中。大学等で起業家教育等を教えていた。コンサル業メインに活動。

改めて気付かされたこと

この座談会を通じて、私がこれまで受けてきた教育が自分のキャリアにものすごく影響を与えてきたことを実感しました。小学校の頃(卒業した清水沢小ではなく、第一小学校)、使用していた教材は教師が独自に作成したものが多かったと記憶しています。公開授業があり、近隣の学校から見学に来ていた教員が教室の後ろにずらっと並び、皆さん熱心にメモを取られていた記憶があります。一方、夕張らしく、教職員のストライキでよく授業が休みになることもありました。オンとオフがはっきりしていたと思います。

中学や、高校ではよく理科の実験をしました。理科の実験は説明だけで、実際にやらない学校も多いと聞きます。私が化学の道に進んだのは、間違いなくこの実験ばかりだった理科の授業のおかげです。考えてみれば自分の人生の中でいろいろな偶然が重なって今の自分があるということに、改めて気づかされます。

座談会の内容

1.大学の授業料無償化および貸与型奨学金について

大学の授業料無償化は進めるべき、貸与型奨学金はあってもよい。貸与の条件は家族の経済条件に限定せず、学生の意思も反映させるべき。

2.リカレント教育について

リカレント教育は重要。きなこもちさんは米国の給付型奨学金を得て社会人で米国に留学した。

きどかおり:自身はリカレント教育の実践者。日本の社会人入学で会社の許可を必要とすることに疑問を感じている。

3.学校教育の先の教育

大福さん:小3の娘は公文で高校程度の数学を勉強中。日本には先に進みたいとい子の行き場がない。

きどかおり:英才教育の機会は本人の意思によって選択できるのが良いと考える。機会としてはオープンしていているべき。

コオリユキコさん:今は教師が個性を大事にする教育を受けておらず、子供の個性に関しての許容が狭いと指摘。フランスに滞在していたことがあるが、ユニーク(個性的)なのが正しいという教育。米国のバラエティ(多様性)を重視する教育についても言及。

4.日本社会の閉そく性

コオリユキコさん:話し合いをして結論に至るというプロセスの中には、イエスもノーもあるのが当然であり、それを超えて合意に至るまで話し合うのが重要。日本ではイエスと言うものだけが救われるシステム。「森友学園」の国有地売却をめぐる財務省決裁文書の改ざん問題で、自殺に至った元財務省近畿財務局職員のケースについて言及。子供のころからの教育でいろいろな価値観が存在することを教育すべきと思っている。

きどかおり:中国、インドの企業に勤め、価値観のぶつかり合いの中で、相手の価値観をどこまで譲歩して認めるかという駆け引きを学んだ。日本のような価値観は、例えば企業で少しでも新しいことにチャレンジしようとする者に対し、「そんなことできるわけがない」と、徹底的につぶしにかかる体質につながっている。何も言わず傍観しているものが出世することになりやすい。社会全体が狭量になり、研究開発に関してもマイナスに作用し、過去20年の経済の地盤沈下をもたらしたと考えている。

5.子供の不登校、いじめ問題、管理教育

コオリユキコさん:子供の不登校問題は、皆なに合わせなくてはいけないという、個性を認めない教育に由来すると考える。一方で知人の心理研究家によると、子供のころに挫折を経験した子供は強くなれるという説がある。皆と同じで誰とも衝突せず大人になり、大人になってから挫折を経験すると立ち直りが難しい。子供のころの挫折は、他人との衝突だけでなく、勉強の他、かけっこなどでどうしても他人に勝てないという経験でも良い。小さいうちに挫折を経験させる方が人間の成長にプラスになる。

大福さん:今はかけっこの順位は発表されるが、勉強の成績の順位の発表はない。娘はかけっこが遅いけれど、算数はできる。でも勉強のできる子は周りには認めてもらえない。不平等と思う。下の子はまだ幼稚園だが、その幼稚園では個性を大事にするような方針。逆にそれが小学校に入って、一転してがんじがらめになり、子供にとっては苦痛になるように見える。小学校の娘は登校前によく「おなかが痛い」と言う。小学校の先生も大変だが、それぞれの子供の良いところを見つけてほめてくれるといいと思っている。

さすらいの寅さん:自分も管理教育になじめず中学、高校は不登校だった。

6.日本の学生と海外の学生の違い

さすらいの寅さん:日本の学生は勉強に対してアグレッシブさが欠ける。理由は初任給の違いがある。海外だと優秀な学生とそうでない学生は初任給が20倍くらい違うこともある。日本のように全員一緒に会社に入って同じスタートでは勉強するモチベーションが上がらない。日本の大学生は優秀な学生も中にはいるが、海外からの帰国組や海外の学生に比べると見劣りするし、できることが少なすぎると。旧帝大と呼ばれる大学でも学生の質が落ちている。

きどかおり:日本はいい大学に行くために、それこそ小学校から私学の学校に入れたり、子供を塾に行かせたりするのに、大学卒業後いい大学の学生もそうでない学生も同じスタートになることに誰も文句を言わないのが不思議と感じる。

きなこもちさん:皆横一線で同じでいいというのが経済停滞の理由では。もっと尖った人材がいてもいい。みんなとにかく「良い子」であるべきという無言の圧力。知り合いの小学校教師に、「靴のライン一本の違いで学級崩壊が始まる」と聞いて驚いたと。もっと教育現場に柔軟性が必要。

ペルシャさん:授業には真面目に出席をしている。とりあえず出席することで勉強した感がある。卒業して大企業に就職することが目的。モチベーションは海外の学生に比べると確かに低いかもしれないと。とりあえず上場企業には入れればOK。学生が求めるのは会社の規模や研修の充実度、ステータスでは。自分自身は年功序列の大企業にはあまり興味はなく、ITベンチャーに就職することにした。ITベンチャーで初任給が700万、1000万円という話はたまに聞くが、一般の学生には縁がない話。

きどかおり:海外企業のように初任給から差をつけるシステムは日本でうまくいくか?

ペルシャさん:これから会社に入社する学生よりも会社にすでにいる社員が不満に思うのでは?年功序列をやめようとすると、これから年功序列の恩恵を受けようとする人が困るのではないか。まずは企業の中での調整が必要。

コオリユキコさん:勉強や事務仕事に限らず、どんな職業でも専門性が高い人、卓越した結果を残せる人には高い報酬が払われるべき。それは農業でも漁業でも同じ。学歴=仕事ができるとも限らないと感じる。リスクの高い仕事にも高報酬が払われるべき。他人の価値を認め、評価する基準が必要と感じる。

7.学校教育の問題

きなこもちさん:海外に比べ公教育に全くお金が使われていない。教育職はいくら働いても残業はなし。親が教師に期待しすぎる。学校は勉強を教えるところでしつけの場所ではない。過労死寸前の教師もいる。待遇が悪すぎてなりたい人が減っている。部活動も問題。非常勤待遇の教師も問題。

大福さん:個人的に、教師に対しての期待はない。そのため塾に行く必要があると考えている。国がもっと公教育を充実させれば流れは変わるかも。

きどかおり:自身が夕張にいたときに在籍していた小学校は、科目ごとに先生が変わるシステムで、各教師が自分の好きなことを教えていた。教科書をほとんど使わず、手作りの教材を使用。このころ勉強はとても楽しいと感じていた。公教育でも発想の転換でできることはたくさんあると信じている。(*卒業した清水沢小学校ではなく、その前に在籍していた第一小学校の話です)

まとめ、公教育にもっとお金をかける。管理教育は平等教育ではない。イノベーションを生み出すには尖った人材を生み出す教育も重要。