以前のブログでも少し書きましたが、私は以前中国の企業で働いていたこともあり、中国人の友人もそれなりにいます。それで未だに中国語の勉強を少しずつですが続けています。ですが正直友人たちとは英語や日本語でコミュニケーションをとることが多いので、あまり気合が入らず私の中国語レベルは初級から中級レベルを行ったり来たりというところ。それでもアプリやYouTubeなどを活用して、時間を見つけては学んでいます。
アプリで現在気に入っているのが、Super Chineseというアプリです。
年間契約でもお安く、教材で取り上げられるトピックが、結構考えさせられるものが多く、気にいっています。AIが発音を判定してくれ、標準の発音にどのくらい近づいているか、毎回数値化してくれるのと、演習の正解率が高いと「ワーオ!」と言ってもらえるのも、私的には嬉しいです。この年になると、あまり人に褒めてもらうことがないので(笑)
私が中国語学習を始めたのは1980年代でのことです。その当時の中国語学習の教科書はまだ共産党色強いころで、教科書では中国人に呼びかける時、「同志!」と呼びかけるとか、教科書の中の留学生の名前がロシアや東欧系の名前ばかりとか、そういうものを使っていました。1998年ー2000年にボストンに留学した際、Language Exchange をしていた中国人にその教科書を見せたところ、大爆笑されました。
とはいえ、日本語の教科書もそうでしょうが、文法は吟味されていても、教科書で取り上げている内容は古いものが多いのが語学の教科書と思います。過去30年くらいの中国は、本当に目まぐるしく変わっており、それに伴って言葉も大きく変化したはずです。先ほどのアプリがいいと思うのは、今時の言葉やシチュエーションを使用した会話が多く、中国の今時の社会環境も一緒に理解できることです。言葉に関しては、中国人がどのように海外の言葉を中国語化するのかよくわかります。
一方で以前私と一緒に仕事をしていた年配の中国人の同僚たちは、ほぼ全員博士号取得者であり、当時のトップレベルの知識人でした。普段は英語でコミュニケーションをしていたのですが、会席のシーンでは思わず中国語で話が弾むことも多くありました。その時、締めはほぼ4文字熟語です。そこで皆がどっと笑うのですが、悲しいかな、私の中国語力ではそのオチが分からないのです。
きょとんとしていると、近くに座っている誰かがいつも、「これは中国語でこういう熟語で、これは何時代のなんというお話から来ていて、ここではこういう意味で使っているからみんな笑ったんだ」と英語でそっと教えてくれたものでした。今時のアプリは流行りの言葉はわかっても、こうした古典由来の言葉の使い方を学ぶ機会はないなあと。最も、そのレベルまで全く到達できそうにありませんが。それより生活に必要な語彙をまずは覚える、あるいは流行りの言葉を覚えた方が確かに実用的でしょう。
とあるYouTubeの広告の中に、「日本は中国語学習者が世界一多いけれど、上級者は非常に少ない」という内容のものを見たことがあります。それは教科書の内容が今時ではないから、あるいは日本の学習者は、1000年以上前の漢詩など、文学にあこがれて中国語を始める人も多いからかもしれません。逆に中国の日本語学習者は現代日本文学をよく読んでいる人が多いです。恥ずかしながら私はノンフィクション以外の文章が非常に苦手で、特に現代日本文学は全くダメです。中国人に、「川端康成も太宰治も村上春樹も全然読んだことがないの?ありえない。」とあきれられたことがあります。日本人は中国の昔の文化にあこがれを持ち、中国人はアニメや漫画なども含めて、日本の現代的な文化に興味を持っている人が多い印象があります。
話が脱線しましたが、学習のきっかけはなんでも良いと思います。話せるようになるには、アプリの他、YouTube配信などを活用するのがいいのではと思っています。
ちなみに中国語(?)系YouTubeチャンネルの中で私が好きなのは、
上記の皆さんは中国と日本で生活経験があり、日本と中国の両方の文化をよく理解されていて、こういう日本の見方があるのかと感心すること多しです。李姉妹は関西弁(三重弁?)なのでノリがいいですね。
日本人では竹内亮さんのチャンネルがおすすめです。
竹内さんはドキュメンタリー映画の監督さんですが、アップロードしている短編の動画一つ一つが非常に面白く、中国語学習を忘れて内容に思わず見入ってしまいます。また竹内亮さんはおそらく、日本より中国の方が、名前が知られている方かも知れません。中国版のTwitterである、ウェイボーのフォロワーが520万人越えとか。
竹内亮さんと言えば、5月19日から、「竹内亮ドキュメンタリーウィーク角川シネマ有楽町」が開催されます。ドキュメンタリーで感動したい方、中国をもっと知りたい方お勧めです!
中国とは今、日本は政治的にはいろいろ微妙な関係にあり、最近ではスパイだの、中国が不動産を買い占めて日本を乗っ取るだの、中国アンチも多く、マスコミでもよくない報道ばかりされがちです。そういうことをしている中国人もいるかもしれませんが、現実的にはそうしたことに全く縁のない中国人が、もちろん圧倒的多数です。
私は山岳少数民族、特にミャオ族の刺繡やロウケツ染めが大好きで、いつか現地で実際に染や刺繍をしているところを見てみたいと思い、それも中国語を勉強する理由となっていました。ですが10年以上前に雲南省を訪問した時、すでにほとんどが化繊の安価なプリントの衣装に駆逐されており、見ることはできませんでした。ラオスなどの方がまだ伝統的なスタイルのものが残っていると感じています。
竹内さんの動画を時折拝見させていただき、例えば貧困地区が多い少数民族の住む町が、徐々に豊かになる様子は喜ばしいことだとは思いつつも、標準語が普及し、インフラが整うことで結果的に若者が流失し、文化が失われるのではと思うことがあります。気の遠くなるほど手間のかかる染や刺繍を施した民族衣装を惜しげもなく着ていた人たちが、安物の化繊の民族衣装もどきを着て、観光客相手のチープな土産物を量産するようになる様子は私は見ていて少し悲しいです。ドキュメンタリーは事実を映す鏡で、そこから何を感じるかは視聴者次第なのでしょうけれど。お時間のある方は是非映画に足を運んで皆さんの知らなかった中国の一面を知っていただければと思います。
最後に今回紹介したアプリやチャンネルの感想は個人的なもので、依頼されたものではありません。
以上、私のおすすめでした。