この件に関しては、反対している人の気持ちが申し訳ないけれど、全くわかりません。
選択制だから、自分がいやだったらしなければいいだけなのに。なぜ?なぜ?自分に迷惑がかかるわけでもないのに、他人の家庭の事情に首を突っ込むのか理解に苦しみます。
私の場合、周りに研究者やライター、営業をしている女性が多いので、結婚して姓が変わるとそれまでの実績が、変更した姓とリンクしなくなるので嫌だという人が多いです。ちなみに、国際結婚の場合は、驚くなかれ、日本でも原則は夫婦別姓です。これは日本以外の国に戸籍のない国、原則夫婦別姓の国も多いからと思われます。
だから国際結婚をしたカップルは、追加でどちらかの姓を名乗るという手続きをしない限り、別姓のままです。しかも、国際結婚の場合は、どちらか一方の姓を名乗る他、複合姓と言って、例えば、私がブラッド・ピットという名前の人と結婚したら、「城戸ピット」みたいな姓もOK。と、いう具合にかなり自由度が高いのが特徴です。日本人同士の結婚の場合だけ、どちらか一方しか名乗れないというのはおかしいと思っています。
よく選択的夫婦別姓で家族制度が崩壊するとか、戸籍制度の運用が難しくなると心配されている方もいるようですが、戸籍などはいくらでも分離可能ですし、分離した家族の戸籍に二つの姓が存在する状態でよいのではと考えています。その家庭で矛盾を感じていないのなら、それでよし。戸籍については、以前、非嫡出子は長女や長男ではなく、単に「子」と書かれていたような差別の方が、よほど問題だったと私は思います。子供にとって非嫡出子という概念は、生まれたときから差別を受けるわけで、甚だ迷惑と思います。
夫婦別姓の場合、子供の姓はどうするかという話を聞きますが、どちらか一方に決めてもよいし(兄弟姉妹で違ってもよい)、子供時代は複合姓にして、成人したら戸籍を分離して、姓をどちらかにするようなシステムもいいのでは?と思います。結婚後の夫婦別姓を原則とする国はいくらでもあるので、「どうしてるの?」と参考意見を聞くことは簡単です。
私がカナダに留学していた25年ほど前、カナダのケベック州では、結婚したカップルは結婚によって姓を変更してはいけないという法律ができました。理由は結婚して姓を変更してもすぐに離婚するので、名前の変更手続きだけで莫大な税金がかかるからというものでした。一部の住民からはもちろん反対意見も出ました。特にカナダ人男性と結婚しようとしていた日本女性からクレームの電話が鳴りやまず、テレビの番組で行政の方が、「日本人女性はカナダ人の男性が好きなのか、カナダ人と結婚している自分が好きなのか」と、皮肉っていました。現在ケベック州では結婚後の夫婦別姓が義務化されています。その他なじみのあるところでは中国や韓国、ベトナムでは基本結婚後も夫婦別姓ですね。
私が知るところでは、インドのヒンズー教徒は別姓を認めていないと思います。女性は結婚するまでなぜか、父親の名前が姓の代わりで、結婚すると配偶者の姓を名乗ると思います。ですがインドの場合は民族や宗教、地域によってもかなり違いがあり、結婚しても姓を全く変えない、新しい姓を名乗るなど、なんでもありのようです。
話を最初に戻しますが、日本人同士の結婚の場合、夫婦どちらかの姓を名乗ることが原則ですが、現実には結婚して男性の姓を名乗り、女性側が妥協する場合が多いと思います。会社で旧姓使用を認めている会社もありますが、かえって様々な手続きが複雑になり、費用もかさむのです。会社側が「結婚後何年もたって、新しい姓も認知されたから、もう結婚後の姓にしてはどうか」と圧力をかけ、結局戸籍通りの姓に変更させられるというような話も多く聞きます。
会社に在籍しながら、結婚後、配偶者の姓に変更した男性も知っていますが、なぜか会社のメールアドレスが旧姓のままで会社が新しい姓に変更を認めず、お客さんに名刺を渡すたび、メールを送るたび、「メールのアドレスが変です」、「間違っています」と連絡が来るのには閉口するとおっしゃっていました。つまり女性の場合も同じような不便を感じているはずです。
私は選択的夫婦別姓を支持しています。