国際婦人年連絡会と女性の地位向上のための活動

今日は国際婦人年連絡会と、日本の女性の地位向上にまつわる活動について書きたいと思います。

私と国際婦人年連絡会との関わりは、2022年の選挙の直前に始まりました。その前は恥ずかしながら私も知りませんでした。関わりをもった理由は、「日本女性科学者の会」に所属したことです。

日本女性科学者の会は「国際婦人年連絡会」の加盟団体の一つで、私は日本女性科学者の会の連絡委員としていくつかの委員会に参加することになりました。委員会が主催するセミナーなどについては、これまでもブログの中の「お知らせ」として何度かご案内してきました。

では「国際婦人年連絡会」とは一体何なのか。ウイキペディアによると、「国際婦人年の理念を広めるために日本国内で活動をする女性団体が集まって結成された団体」とあります。

それでは「国際婦人年」とは?

国際連合が女性の地位向上を目指して設けた国際年で、1975年を指します。1975年よりも前から、国連女性の地位委員会(CSW)は、女性に対するあらゆる差別を撤廃するための宣言の採択するための努力を続けていました。そしてその宣言採択が1975年であり、条約(「女性差別撤廃条約」)として第34回国連総会において採択されたのが1979年、発効されたのが1981年です。ちなみに日本は1985年に条約を批准しています。

「国際婦人年連絡会」は、1975年から、こうした国連女性の地位委員会と連動するように活動していますが、実態としては戦前から続く女性の地位向上や男女平等のための活動が基盤となり、「国際婦人年」をきっかけに組織化したと言えるでしょう。

また「婦人」という名称に関しては、1990年に「国際婦人年」が「国際女性年」と変更されています。確かに「婦人」というと、明治か大正時代のイメージで、年齢も高齢の既婚女性をイメージするかもしれません。ちなみに英語は「International Women’s Year」ですので、現在の感覚ではやはり「女性」とするのがいいように思います。「国際婦人年連絡会」の方は、古風な名称そのままで現在に至ります。

この団体で特徴的な活動の一つが、国会・政府・自治体・政党・関係機関および国連・国際諸機関等へ意見書を提出できる団体であることです。最近ではオンライン署名サイトである、CHANGE.ORGのような ものがあり、署名を集めることができれば、一般人でも政府や自治体に意見書を提出できるようになりました。ですがそれでも個人が国や自治体などに意見を述べる手段は通常ありません。個人の意見を国や自治体などに聞いてもらうためには、自分の意見を代弁してくれる政治家を経由することになるでしょう。「国際婦人年連絡会」は、個人がメンバーとなることはできませんが、参加する団体を通じて政治に関与することができるわけです。

もう一つの特徴は国連との繋がりです。

「国際婦人年連絡会」は、国連経済社会理事会の特別諮問資格を持つ団体です。特別諮問資格を持つNGOは、国連と相互利益的な作業関係を構築することで、国際社会の課題に対する解決策や提言を行うことができます。日本に拠点を置くNGOで特別諮問資格を持つのは以下のリンクのNGOです。

日本に拠点を置く、国連経済社会理事会特別諮問資格を持つNGO

「国際婦人年連絡会」の目下の活動目標は、「女性差別撤廃条約」を補完するため、1999年に採択された「選択議定書」を日本が批准するよう国に働きかけることです。この選択議定書には「個人通報制度」と「調査制度」の2つの手続きがあり、選択議定書の批准がなければ「女性差別撤廃条約」は不完全なままです。日本は未だに批准していません。詳しくは以下リンクを参照ください。

女性差別撤廃条約選択議定書とは

日本の政治、あるいは経済界でもまだまだ女性差別はあると実感しています。ですがこうした活動を長く続けられた方々のお話を伺うと、私の世代(50代)では、現在60代、70代を迎える世代よりはずっと女性が活躍しやすい状況になっていたと思いますし、40代、30代、20代となるごとに、状況は確実に変化していると感じます。

私は男女雇用機会均等法(1986年)の後の世代ですが、私が社会人になり立ての頃はまだ、総合職と一般職の区分けがあり、同じ総合職でも男女で給与が違う会社もまだまだありました。私は最初に入った企業の労働組合でデータ管理(査定の結果の管理)の仕事もしていましたが、結婚したての男性には、「家長としての責任をもたせてやりたい」という妙な理由で、仕事ができない社員にも高評価をしたり、逆に女性は結婚して出産して辞めるかもしれないからと、まだ結婚相手もいないうちから能力があっても一律低い評価にしたりと、現在では考えられないようなことが行われていました。査定はそもそも過去一年の仕事のパフォーマンスに基づいて実施すべきなのに、私情や差別が何重にもからむ日本企業の査定は異常であったと思いますし、それは私がいた企業だけではなかったと思います。その後世の中が不景気になり、どの企業も結婚祝いに能力の低い社員に高評価を出す余裕はなくなり、以前より査定は能力ベースになったと思います。

他にも私が社会人なり立ての頃は、女性は自宅通勤者のみ採用であるとか、会社の寮は男性しか入居させないとか、一人暮らしをする女はふしだらであるとか(人事に「親不孝者、結婚できなくなるぞ」と説教された女性も)、女性総合職だけ制服着用など、今から考えるとあれはいったい何だんだ??というものがたくさんありました。また私の同期のある女性は、背が高く細身で脚が長かったため、制服のスカートが膝上10センチ以上になってしまっていたのですが、「男を誘っている」などと酷い中傷を受け、総合職の制服撤廃に向けて頑張っていたのを思い出します。そういえば当時、年始の銀行の窓口業務の女性はなぜか晴れ着着用でしたね。男性は年中スーツなのに。

私自身も女性だからという理由で、昔は名刺を交換してもらえなかったり、女性だけ通常の業務の他に会議のセッティングやお茶出しに駆り出されたり、つい最近までは名刺を交換する相手がほぼ男性ばかりだったりと、仕事柄もあって、周りはほぼ男性という環境で長年働いてきました。ですがここ数年、女性の地位という点に関しては、少しずつ日本も変わってきていると感じます。ビジネスで会う人の半分以上は常に女性という状況の、オーストラリアや北欧などにはまだまだ全然及びませんが、男ばかりで真っ黒だった専門分野の学会にも若い女性が増えている実感があります。

私より下の30-40代については、女性の地位という面では確実に変化があった世代であると思いますが、すでにあった女性の権利に、あまり有難みを感じることはなかったのかもしれません。就職氷河期とも重なって、何よりも日々の生活が大変で、政治に関心があったとしても自分が活動に参加するところまではたどり着けていない世代かもしれません。

ですが20代より若い世代については、政治活動にも非常に積極的な世代と感じています。過去のことはよく知らなくても、世の中の不条理に敏感に反応し、インターネットやSNSを自在に使い、自由に自分たちの主張を世の中に発信できる、かなり優秀な世代であるとも思います。

最後はまた話が脱線しましたが、「国際婦人年連絡会」は、婦人ではない若い世代の参加も歓迎しています。是非世代を超えて女性がより活躍できる時代を一緒に作りましょう!