このブログでもお知らせしているように、私は今年の参議院議員選挙に初めて出ました。あまりに直前に、突然に決まったので、ほぼなんの準備もなく選挙に臨みました。選挙に一体いくらお金が必要なのか、何にお金がかかるのか、選挙活動で何をすればよいのか、全くわからないままにです。党からは供託金は出していただけるという話でしたが、その他の費用について、あるいは何を具体的に準備すればよいのかは全く???でした。
とりあえず、選挙に必要なポスターやはがき、ビラなど選挙管理委員会が出している手引きを読みながらほぼ自分で作成しましたが(印刷屋から期間が短すぎるとデザインすら断られた)、実はほとんど使用しませんでした。はがきに至っては印刷したものの、あて名書きする暇がなく、結局出さずに終わりました。私の場合、一番お金がかかったのはホームページの制作にかかわる費用でした。
具体的な選挙運動費用の収支をお知らせできればと思っているのですが、実はまだ中央選挙管理委員会での確認作業が終わっていないようですので、公表されている前回の参議院議員選挙の選挙運動費用収支報告書を見ながら少し自分の思うところをコメントしたく思います。
自分で立候補するまで知らなかったのですが、すべての選挙運動費用収支報告書は公表さています。下記は中央選挙委員会が公表している第25回参議院議員選挙の運動費用報告書です。地方の選挙区についても、同様のものがあるのではと思うのですが、まだ見つけておりません。どこかにまとめて掲載して欲しいですね。Wikipedia等に、リンクをまとめて貼ってほしいです。
政党ごとに報告書がまとめられていますので、興味ある政党をチェックしてみてください。少ない人では活動費が0円という人も何人かいます。このような候補者は立候補することに意味があり、当選することは想定していないのでしょうか。選挙活動は実質されていないということでしょうか。
この中で金額が一番多いのは自民党の「佐藤信秋」さんで、4800万円も選挙活動に使われています。使い道の大半は事務所費や印刷費などが多いようです。他の候補者も金額の違いはあれど、この2つの項目の支出が多いです。
公明党が面白いのは、たくさんの費用をかけている人と、そうでない人の落差が激しいところですね。17名の候補者のうち、なぜか5名が、8万5千円という同額の費用を報告しています。この方達は、単なる数合わせで立候補しているのでしょうか。
国民民主党に関しては、党から候補者にほぼ500万円ずつお金が出ているようなんですが、私は貰っていないなあ~。支出の最低は18万円、最高は2400万円と、かなりばらつきがあります。ちなみに私の報告した費用は60万円ほどで、そのほとんどがホームページ制作にかかわる費用でした。
国政選挙の場合、当選者と各党の当選者の倍の数(つまり2名当選なら4名分)は公費で選挙費用が負担されます。が、公費負担されるのは報告書の公費負担分とある部分のみです。元々ホームページの作成は公費負担にはならない費用です。そもそも日本の選挙はまだ昭和を引きずっているので、印刷費や看板の費用など、昔ながらの選挙活動にかかわる費用しか公費で負担されません。また選挙に落ちた人は、基本選挙費用を全額自腹で負担です。当選するならある程度お金をかけてもいいと思うけど、当選せず、自腹で負担になるならそんなにお金はかけられない。。。選挙の大いなる矛盾ですね。
他の党を見てみると、共産党などは全体的にあまり費用をかけていない印象です。組織力があれば、お金はあまりいらないのかもしれません。その他面白いのは、れいわの「安冨歩」さんの報告書の収入の部に、個人からの寄付金と思われる収入が多く記載されていることです。個人献金が多いのは人望があるからなのでしょうか。
個人の寄付が多い候補者には他に、幸福実現党の「及川幸久」さんがあります。及川さんのサポーターはお金持ちが多いようで、個人での寄付金の金額も安富さんとはケタが違いますね(笑)これは幸福の科学にかかわるものなのでしょうか。公明党は党からの拠出になっていますが、幸福実現党はあくまで個人の寄付金となっています。
しかも及川さんは、寄付金による収入が、運動費用を大幅に上回っており、選挙運動で600万円近いプラスとなっています。よくよく見ると幸福実現党の候補者は皆さん、寄付金の額が運動費用を大幅に上回って皆さんものすごくプラスです。うらやましい限りです。
立憲民主党は、「岸真紀子」さんが突出していますが、自民党に比べると突出というほどでもないかもしれません。他の皆さんは1000万円前後というのが多いようです。
ということで、次回の選挙に出馬しようと考えている方、選挙制度に興味のある方、ぜひリンクを覗いてみてください。選挙権が18歳からになったので、被選挙権を引き下げようという動きがあるようですが、さすがに高校出たての若者が何百万円も費用を出すことはできないですよね。もちろん若者にはSNSなどを駆使した選挙活動も考えられるでしょう。そうなると若い世代ではYouTuberのように、一般から資金を集められて、知名度もあるような人が、参院選では今後も有利になるのではと思います。ですがインターネットだけでは年配の有権者に声を届けることはまだまだ難しいでしょう。年配者向けに印刷物を配るのは印刷代もさることながら組織力がないと配布にかかわる人件費がかさむので、普通の候補者には難しいですよね。参院の比例区のように全国区だとなおさらです。
選挙活動中の座談会にて、「日本の選挙運動が普通の人に不公平」というコメントがあり、選挙活動費用の上限を決めるべきという意見が出たのですが、この収支報告書を見て皆さんはどう思うでしょうか?よく地盤、看板、カバンと言いますが、最初から全く勝ち目のない選挙に出たいという人はよほど奇特な人ではないでしょうか?その候補者が普段仕事を持ち、それなりの収入を得ている人ならなおさらです。自分たちの理想とする政治にするためには、もっと若い世代の意見が反映されるように選挙制度も変えていくべきと考えています。でも現実は厳しいですね。